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2006年11月21日

オシム×モチベーション



「教師が何かを生徒に教えるために黒板に書いた時点で、それは過去のものになっている。世の中はそれくらい毎日進化し、変化する。」

この言葉が様々な名言で日本人の心をわしづかみface05にするイビチャ=オシムの哲学を物語っています。

「給料icon27を上げれば頑張る」「icon05叱ればついてくる」「任せれば責任感が育つICON66」「褒めればICON59伸びる」
雑誌やビジネス書のタイトルになっている多くのものは本質を表すものではありません。


そもそも人の気持ちに方程式を当てはめよう。ということ自体が間違いだからです。上に挙げたような言葉たちは、目に見えない数え切れない必要な要素から部分部分を切り取った「事実」でしかないのです。

「やれ」「できればやってほしい」「あなたの考え方次第だけれど。。。」

どんな言い方でも、「彼は私にこうして欲しいんだろう」ということがまず最初に伝わった時点で、本当にその人自身から出たモチベーションには成り得ない。「もっと頑張って欲しい!」と思えば思うほど、そんな気持ちが態度に表れてしまい、人はついていかなくなってしまうのです。他人に従うよりも自分で決めた行動のほうがやる気が出ますよねICON36

話を戻します。オシムにとっては「人間というものは日々変化し、様々な状況によって取るべき行動が変わってくる」ということが、唯一の”人間の法則”なのです。それがまず基本になって冒頭のような言葉になります。

次にサッカーというハーフタイム以外はフィールドにいる選手が自分で行動を判断するしかないスポーツにおいて、「考える」ということと「瞬時に判断する」ことは必須。

では指導者のやることとは何か?
「指導者の考えを伝える」ことでなく選手に「プレー中の判断をさせる手助けをしてやる」ことです。

会社や学校の「インフラを整備する」ことに似ています。あくまでもその用意された土台の上で行動を決めていくのは、社員であり生徒であり、選手なのです。指導者からやるべきことを伝えられると、人間はそのことばかり考えるようになり、大きなものの見方ができなくなってしまいます。

とりあえず資料を作れ」とか「ボールをもらったらまず見えた選手にボールを回せ」と言われると、
その背後にある
みんなに情報を伝えるには」とか「ゴールを決めるには」といった観点が抜けてしまうのです。

前者なら資料は完成するだろうし、選手がボールを持ちすぎることはないかもしれません。
ただ中身は指導者の思惑の6割くらいを満たすのが限界。

後者なら資料はできないかも知れません。が、それは情報を伝えるにおいてその人が資料という形式がベストではないと判断したからで、みんなに情報を伝えるということは達成されます。またただボールを回すだけでなく、相手の裏をかくことを考えたり、ボールを戻して、自分も走りこむというような行動につながります。「考えるサッカーICON53」とはそういうことではないでしょうか。

とにかく走らせる。そして楽をさせない。まるで軍隊のような指導法。

時代遅れのやり方が受け入れられているのは、彼には確固とした目指すべき形があり、それを選手達に示しているから

成功をイメージできるときに人間は力を発揮します。90分後、自分達が勝者になっているのであれば、倒れるまでチームのために走り続けることができます。その力を原動力にしてチームを動かすオシムは、個人主体の時代には珍しい指導者ですね。

個人尊重」を主要テーマにして研究している太田ゼミには興味深い人物です。  


Posted by 太田ゼミ at 00:37Comments(4)タナーリオ